欠陥・瑕疵担保・契約不適合責任|中古車・中古品・不動産等のクレーム問題へ対応

欠陥・瑕疵担保・契約不適合責任|中古車・中古品・不動産等のクレーム問題へ対応

中古車・中古品・不動産等の欠陥・瑕疵担保・契約不適合責任へのクレーム等の予防・対応は重要です

<民法改正により考え方・適用の変更があり注意が必要です:民法改正後でも改正前の民法が適用される場合もあります・瑕疵担保責任⇒改正後:契約不適合責任>

 

 

瑕疵担保責任(民法上・それ以外の法令)とは?

 

売買の目的物に 隠れた瑕疵があった場合、売主は担保責任を負うこ. ととされ、この責任を瑕疵担保責任と呼んでいます(民法 570 条、566条)。

 

 

 

請負契約においても瑕疵担保責任は定められています(民法634~640条)。

 

 

契約不適合責任とは:改正後

「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」に発生する責任

対象:売買契約・請負契約

種別:過失責任・任意規定(特別法が存在する場合は別(例:消費者契約法第8条1項(事業者の契約不適合責任の全部免責条項は無効),宅建業法第40条(宅建業者が売主となる場合の宅地・建物の売買は契約不適合責任の免責特約は無効))

内訳:種類・品質・数量に関する契約不適合

請求できる内容:①追完請求,②損害賠償請求,③代金減額請求,④契約解除

 

 

隠れた瑕疵とは:改正前

 

買主が取引上において一般的に要求される程度の通常の注意を払っても知り得ない瑕疵をいいます。

 

買主は善意(瑕疵があることを知らないこと)・無過失であることが必要です(通説・判例)。

 

 

 

(担保責任を負わない旨の特約)

 

 

 

 

 

 

民法572条 売主は、第五百六十条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。

 

 

 

<瑕疵とは>

 

対象:売買契約・請負契約

 種別:無過失責任

 

取引通念からみて通常であれば同種の物が有するべき品質・性能を欠いており欠陥が存在することをいいます。

 

 

<瑕疵の例>

 

不動産:

土地の瑕疵の瑕疵になる可能性がある場合
①土質の欠陥(地盤の軟弱な状態、地盤の陥没、液状化等)
②地下にのコンクリート片や材木等の大量埋設

 

③土壌中に有害物質・産業廃棄物の存在

 

④法令の制限・近隣住民との紛争

 

※多くの裁判例・判例があり争いが多い問題です

 

 

 

建物の瑕疵になる可能性がある場合

①建物の傾斜(一般人では分からない一定以上の傾斜)②壁の中の柱、土台、屋根、床下等の腐蝕(シロアリ被害,腐敗等)③建材に高濃度のホルムアルデヒド④過去の火災歴⑤雨漏り・水漏れ⑥自殺・殺人があった(認められない場合もあり)

 

※多くの裁判例・判例があり争いが多い問題です

 

 

 

中古車の瑕疵になる可能性がある場合

 

①エンジンやブレーキの調子が悪く、修理しても直らない。

 

②ガソリンタンクのガソリン漏れ

etc

 

 

 

瑕疵担保排除特約について

 

個人が売主の場合,瑕疵担保責任は任意規定のため,当事者間の合意(特約)があれば,売主は全く売ったものに欠陥があっても責任を負わない(瑕疵担保排除)とすることが可能です。
ただし,この場合であっても,売主が売った物に瑕疵があると知りながら担保責任を負わないとすることは認められません。

 

 

 

※売主が業者(商人)で,買主が一般の個人(消費者)の場合,瑕疵担保責任を全部又は一部排除する特約(中古車販売の現状渡し(ノークレームノーリターン)は,原則として,消費者契約法8条1項5号によりこのような免責特約は無効とされます。例外は,通常の価格(相場)より非常に低廉で,かつ,瑕疵がある可能性を十分に説明していた場合などの極めて特別な場合に限られると思われます。

 

 

効果(どのような事を請求できるか・され得るか)・期間等 民法 一般

①売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合,買主がその事実を知った時から1年以内であれば

 

②買主は、契約の解除及び損害賠償請求をすることができます(解除ができない場合には損害賠償請求のみ)(民法570条、566条)。 

 

 

 

民法 請負:改正前

 

請負人(受注者)は,発注者からの①瑕疵の修補(民法第654条第1項),②「損害賠償(同第634条第2項),②契約の解除」(同第635条、ただし建物その他の土地の工作物を除く)の請求に応じる義務があります。

 

期間

 

①仕事の目的物を引き渡した時,または,仕事が終了した時から1年間です(民法第637条)。

 

②ただし、建物その他の土地の工作物が目的物の場合は、その土地の工作物または地盤については5年間(石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については10年間)です(民法第638条)。

 

 ※(担保責任の存続期間の伸長)

 

 

 

 

民法639条 第六百三十七条及び前条第一項の期間は、第百六十七条の規定による消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる。

 

 

 

<宅建業法による規定>

 

宅地建物取引業者が売主の場合の瑕疵担保責任期間(最低限)

 

①引渡後2年間(宅地建物取引業法40条)または②買主が瑕疵を知ってから1年間(民法570条,566条3項)の長い方

 

※契約によって,上記より短い期間を規定しても,その条項は無効とされます。
一方,契約によってこれより長い期間とされている(買主有利)場合は有効とされます。

 

ただし,宅地建物取引業者が仲介をした場合はこの期間制限は適用されません。

 

平成12年より,新築住宅の主要部分(構造耐力上主要な部分)に関しては住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって,瑕疵担保責任期間が 最低限10年 とされました。

⇒住宅瑕疵担保履行法の改正で、2022年10月から専門家相談と紛争処理の対象が拡大されました(2号保険が付された住宅の取得者や供給者等が加わりました)⇒詳細はこちらへ

 

※住宅に関して,多くの欠陥・手抜き住宅が問題視されたため法の整備が進められています。

 

売主が不動産業者以外の場合は,民法の基本通り,買主が瑕疵を知ってから1年間(民法570条,566条3項)です。ただし,特約をすることで,これとは別の合意が可能です。

 

< 商法>

 

商人間の売買においては,

 

①買主は目的物を受け取った後、遅滞なく検査をすること

 

②検査の結果,瑕疵や数量の不足を発見した場合には,直ちに売主に通知すること

 

③直ちに発見できない瑕疵の場合は,6か月以内にこれを発見し,通知すること

 

④これらの要件を満たさない場合には,売主の瑕疵担保責任を追及することができない(商法526条)。

 

<住宅関連>

①「住宅の品質確保の促進等に関する法律」

新築住宅を供給する住宅事業者⇒「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(平成12年4月)で住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分(限定されます)の設計ミスや施工ミスによる欠陥(瑕疵)に対し10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負います。

②「新築住宅かし保険」

「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)(平成19年3月)により住宅事業者は、新築住宅の引渡し時に「新築住宅かし保険」の加入等により、当該業者が倒産しても十分な修理費用が賄えるよう保護されることになりました。

③保険法人への保険金の直接請求制度や供託所への保証金の還付請求で保護が高められています。

 

 

あすか総合法律事務所では,独自のノウハウも駆使し,欠陥・瑕疵担保・契約不適合責任などクレーム問題他予防や対応を支援しています。

事業者としても消費者問題の視点からも重要です。

 

ご相談(有料)は、あすか総合法律事務所(087-887-0836)までどうぞ。

 

 

 

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